ビル管の選任方法や選任義務について知りたい! その方法を徹底解説

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ビル管理技術者(ビル管)とは、建築物環境衛生管理技術者の通称です。ビル管の方が言いやすいので、通称が正式名称のような扱われ方をしています。ビル管は、一定以上の床面積を持つ建物では、必ず選任を行わなければならず、取得するとビルを維持管理するための保安監督業務を行うことができる資格です。

今回は、ビル管の選任義務や選任報告について解説しましょう。

  1. 建築物環境衛生管理技術者に関する基礎知識
  2. ビル管の選任義務と届け出について
  3. ビル管の選任方法について
  4. ビル管の選任に関するよくある質問

この記事を読めば、ビル管理技術者の職務や資格を取得するメリットもよくわかります。建築物環境衛生管理技術者の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.建築物環境衛生管理技術者に関する基礎知識

はじめに、建築物環境衛生管理技術者(ビル管)とはどのような資格か、ということをご説明します。資格を取得すれば、どのような仕事が行えるのでしょうか?

1-1.建築物環境衛生管理技術者(ビル管)とは?

建築物環境衛生管理技術者(以下、ビル管)とは、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づき、建築物の維持管理や衛生管理の監督業務を行える資格です。
同法律では、床面積が3,000平方m以上ある高層ビルやホテル・商業施設など、床面積が8,000平方m以上ある学校を特定建築物と定めています。ビル管は、特定建築物では必ず1つの建物で1人、選任義務があるのです。
ただし、同一敷地内に所有者が同じ特定建築物が複数棟あり、同一目的で使われている場合は、複数の棟でも1つの建物とみなされます。

1-2.ビル管の仕事について

ビル管の仕事は多岐にわたります。特定建築物の空気測定、特定建築物の給排水検査・整備・管理などの維持管理業務、テナントと所有者の橋渡し・ビルの維持管理に関する問題点・改善案の提案などです。つまり、ビル管理に関わる最高責任者としての仕事を行えます。ビルの清掃・維持管理を行う会社や公官庁との折衝も仕事の一つですから、ビル管理に関する知識だけでなく、高いマネジメント能力や折衝能力が必要です。

そのため、40代以降の年代の人の方が適している仕事といえます。

1-3.ビル管を取得するメリット

ビル管は、ビルメン(ビルメンテナンス業務)に関連する資格の中で、最も難易度が高い資格の一つです。ですから、取得をすれば就職や転職に大変有利でしょう。ビルメン業界では、第三種電気主任技術者・エネルギー管理士と並んで、取得しておくとメリットが大きい資格として、「ビルメン三種の神器」とも呼ばれています。

ビル管理の資格を取得すれば、給与アップが期待できるのはもちろんのこと、定年を超えても働き続けることもできるでしょう。

1-4.ビル管を取得する方法

ビル管を取得するには、2つの方法があります。1つは、大学で理学・医学・薬学などの学科を専攻して卒業した後で一定の実務経験を積むか、一級建築士・技術士・第三種電気主任技師の資格を取得して一定の実務経験を積んだ後、講習を受けて修了すると取得可能です。もう1つは、2年以上ビル管理に関わる実務経験を積んだ後で、資格試験を受け、合格をすれば取得できます。どちらの方法を選ぶにせよ、一定の実務経験は必要です。

2.ビル管の選任義務と届け出について

この項では、ビル管の選任義務と届け出について解説します。どのような時に届け出が必要なのでしょうか?

2-1.ビル管の選任義務とは?

前述したように、床面積3,000平方m以上のビルや商業施設(学校は8,000平方m以上)の特定建築物には、ビル管の選任が義務づけられています。ただし、医療法で管理されている病院や診療所は、床面積が規定の広さを超えていても、選任義務はありません。

ビル管は原則的に建物ごとに選任が必要です。前述したような例外はあるものの、基本的には同じ所有者のビルであっても建物の数だけビル管の有資格者が必要になります。
ちなみに、選任できるのは必ず有資格者だけです。講習を受けており、修了したら資格取得を見込めるという方は、選任できません。注意しましょう。

2-2.ビル管の届け出について

ビル管を新たに選任した場合は、自治体にビル管を新たに選任した旨を届け出なければなりません。この時必要な書類は、自治体によって異なります。詳しくは、市役所のホームページなどを確認してください。東京の場合は、区役所ごとに届け出のルールが異なります。
多くの自治体で、ビル管免状のコピーの提出が義務づけられていますので、新しいビル管を選任したら免状を提出してもらい、何枚かコピーを取得しておくとよいでしょう。

2-3.罰則規定など

ビル管を選任しなかった場合は、30万円以下の罰金が科せられます。ビル管は、選任後30日以内に自治体へ届け出なければなりません。選任をした場合も届け出を行わなかった場合は不選任とみなされますので注意しましょう。

また、提出書類へ故意に虚偽の報告を記載した場合は、50万円以下の罰金が科せられます。

3.ビル管の選任方法について

ビル管を選任するには、2つの方法があります。1つは、建物の所有者が直接有資格者を雇用する方法です。自社ビルを持つ会社の総務課の社員が、ビル管の資格を持っている場合などがこれにあたります。会社が直接雇用していますから、経歴などもよくわかっており信頼も高いでしょう。その一方で、有資格者が退職してしまうと次の人材確保が難しくなる場合もあります。積極的に社員の資格取得を応援するなど対策を立てましょう。

もう1つは、ビル管理を委託している業者から人材を斡旋してもらう方法です。特定建築物を多く所有している会社は、系列ビルメンと呼ばれるビル管理専門の子会社を設立していることもあるでしょう。外部業者に委託してしまえば、ビルの持ち主が有資格者を探して雇用する必要はありません。ただし、ビル管理を請け負う会社にもいろいろな種類があります。評判のよい会社を選ばないと有資格者が急に退職を願い出るなど、思わぬトラブルが起こるかもしれません。

4.ビル管の選任に関するよくある質問

Q.事情があり、どうしてもビル管選任後30日以内に届け出を出すことができません。どうすればいいでしょうか?
A.早めに自治体の担当課を訪問し、事情を説明してください。

Q.ビル管の資格を取得すれば、就職には困りませんか?
A.ビルメン業界では引っ張りだこになることも珍しくないでしょう。

Q.ビルメンの選任に年齢制限はないのですか?
A.ありません。どの年代の方でも有資格者ならば大丈夫です。

Q.女性でもビル管になれますか?
A.もちろんです。場所によっては重宝されるでしょう。

Q.ビル管の有資格者を雇用したいのですが、どのような方法がありますか?
A.ハローワークやビルメン専門の就職サイトに求人を出しましょう。インターネットを利用すれば求人情報が多くの人の目に触れます。

おわりに

今回は、ビル管の選任を中心にいろいろとご説明しました。ビルメンの仕事は幅広く、ビル管以外にも電気工事士や2級ボイラー技士・第三種冷凍主任技術者などを取得しても、就職や転職に有利です。ビル管の試験の受験資格を得るためには2年以上の実務経験が必要になります。ですから、ビルメンの仕事をしながら資格取得を目指す方も多いでしょう。

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