【徹底解説】ファンコイルユニットの仕組みは?特徴やエアコンとの違いをチェック!
2015/12/29
2023/06/06
ファンコイルユニット、その名前を聞いたことがあるものの、実際のところ何をしているのか詳しく説明できる人は少ないかもしれませんね。
特に大規模なビルの空調設備として活躍するこの装置、ビル管理に関わる仕事をお考えの方なら必見の情報です。エアコンとはどう違うの? メリットとデメリットは何? よくわからないという方、安心してください。
本記事では、ファンコイルユニットの全貌を詳細に解説します。ビルの空調管理をより深く理解し、あなたの仕事に活かす一助となれば嬉しいです。
- ファンコイルユニットとは?
- ファンコイルユニットと一般的なエアコンの違い
- ファンコイルユニットの構造や特徴
- ファンコイルユニットのメリット・デメリット
- ファイルコルユニットの管理方法
- ファンコイルユニットの仕組みや特徴まとめ
1.ファンコイルユニットとは?
ファンコイルユニットとは、ファン(送風機)とコイル(熱交換機)をひとつの箱に収めた空調機です。室内の空気を吸い込んで、エアフィルターで塵などを取り除いた後、コイルで温度と湿度を調節して再び室内に戻します。
この仕組みだけ見ると、エアコンとそう変わらないように思われるかも知れません。しかし、エアコンは室外から空気を取り入れて冷媒配管で温度を調節するのに対し、ファンコイルユニットは温度や湿度の調節に水を用いる点で異なります。ですから、ファンコイルユニットでは、エアコンの室外機に相当する部分がかなり大がかりになるのです。
ビルの屋上で、水を滴らせる大型のファン付き機械を見たことがある方もいると思います。それが、ファンコイルユニットの冷却装置です。
2.ファンコイルユニットと一般的なエアコンの違い
ファンコイルユニットは、基本的に中央制御です。部屋ごとにスイッチがあり、オンオフや温度の調節ができますが、一部屋だけに暖房や冷房を付けることはできません。ですから、大勢の方が一度に活動するホテルや常に冷暖房を入れっぱなしの病院、大規模商業施設などに使われることが多いのです。
一方、エアコンは各設置場所で制御します。それぞれに室外機があり、手元のコントローラーなどでオンオフや温度調節を行うのです。使う時間が部屋によってばらばらな大規模なオフィスビルなどは、部屋ごとにエアコンが設置されているケースが多いでしょう。
3.ファンコイルユニットの構造や特徴
ファンコイルユニットは、外気を取り入れる大型の機械が1台あり、そこから各部屋へ配置される機械へと枝分かれしています。ファンコイルユニットというと天井に取り付けるタイプをイメージする方が多いでしょう。しかし、床に置くタイプのものや壁掛け型、任意の場所に付けられるダクト接続型など、さまざまなタイプがあります。ですから、冷媒配管を利用するエアコンよりも、自由に設置場所が選べるのです。
ちなみに、ファンコイルユニットを製造しているメーカーは、エアコンを製造していることが多く、メーカー名を聞けば分かる方も少なくないと思います。メーカーによっては病院用・ホテル用など、用途に合わせて特化した製品を作っていることもあるため、設置する場所に合わせてメーカーを選んでもよいでしょう。
4.ファンコイルユニットのメリット・デメリット
では、ファンコイルユニットにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか? この項で詳しくご紹介します。
4-1.ファンコイルユニットのメリットは?
ファンコイルユニットは、中央制御タイプの空調設備ですが熱源水の流量調整で温度制御が容易です。ですから、部屋ごとに異なる温度に設定することもできます。中央制御ですから、1台ずつ個別に設置されているエアコンよりも省エネで運転できるでしょう。
また、設置場所が自由に選べるのも魅力のひとつです。部屋の用途によっては、天井に送風口が設置できないこともあるでしょう。ファンコイルユニットの場合は、床下にも設置できるので、天井や壁が全く使えない場所でも設置できます。
4-2.ファンコイルユニットのデメリットは?
ファンコイルユニットのデメリットというと、水源の確保と室外機の置き場所の確保を第一にあげる人が多いでしょう。ファンコイルユニットは水で空気の温度を調節します。ですから、運転には大量の水が必要です。大規模な施設の場合は元が取れますが、小規模な施設の場合は普通のエアコンよりもコストがかかるでしょう。
また、水の温度を調節する機器もエアコンの室外機の数倍も大きいのです。ですから、壁面にはまず設置できません。屋上がある場合は屋上に置けばよいのですが、そこが使えない場合は地面に置いてダクトを引っ張らなければならないのです。そのため、ビルの設置場所によっては工事費がかかることもあるでしょう。
ファンコイルユニットは空気清浄の機能もあります。大規模なビルほど、窓があってもあかないことが多いので、空調による空気清浄は不可欠です。しかし、ファンコイルユニットの場合は部屋ごとに送風口が設置されています。そのため、フィルターの掃除に大変手間がかかるのです。
特に、ホテルや病院など部屋数が多い場所では、フィルターの取り外しや洗浄だけでも、時間がかかるでしょう。ですから、専門の掃除業者などを置いて対応しなければなりません。また、オフィスのようにビルの部屋を使う時間がばらばらの場合は、かえってコスパが悪くなるでしょう。
5.ファンコイルユニットの管理方法
ファンコイルユニットの管理は、そう難しいことではありません。大切なのはフィルターの掃除くらいでしょう。ですから、建築物環境衛生管理技術者は、清掃業者と契約を結び、日々のお手入れをしてもらえばよいですね。フィルターが汚れていれば、空気も汚れます。ですから、フィルターの清掃だけはこまめに行いましょう。
特に、喫煙者が多数いる施設では、フィルターにヤニがこびりついて目詰まりすることも多いです。今は、喫煙は定められた場所でしか行えないビルが大部分ですが、喫煙所のフィルター掃除はより一層こまめに行いましょう。
また、定期的な空気のチェックも欠かせません。ビルの中で空気が汚れてしまうと、利用者に健康被害が出るだけでなく、ビルそのものが使えなくなるでしょう。ですから、建築物環境衛生管理技術者は、定期的に空気の成分をチェックして、その結果を定められた期間保管しておかなければなりません。異常が出た場合は、すぐに原因を突き止めましょう。空気に異常が出た場合はすぐに対策を取らないと健康被害が出るかもしれません。
ファンコイルユニットの仕組みや特徴まとめ
今回ファンコイルユニットの特徴や構造、さらにメリット・デメリットなどをご紹介しました。ビルの空調など普段は意識しないことがほとんどです。しかし、メンテナンスを怠れば、最悪の場合ビルそのものが使えなくなってしまうでしょう。ですから、建築物環境衛生管理技術者の方は、こまめな点検とメンテナンスが必要です。
また、空調はそう簡単に取り換えることはできません。ですから、築年数がたったビルはそれだけ空調設備も古いのです。新しいビルの場合は、空調設備がコンピューターでコントロールできるものもあります。たとえビルの天井の上や壁の中に設置された配管のどこで不具合が起きてもすぐに分かるようになっているでしょう。しかし、古いビルも場合はそのような設備はありません。ですから、不具合箇所を見つけるのも大変なことがあります。不具合が起こる前に発見することも大切なのです。
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