病院のビルメンの仕事とは? 設備管理の他にはどんなものがあるの?
2017/04/11
2017/04/21
ビルメンとはビルメンテナンス業務の略です。不特定多数が使用するビルを、安全かつ快適に使い続けるためには欠かせません。ビルメンを必要としている施設はオフィスビル・商業施設・学校などさまざまですが、その中でも病院は設備管理の他にもやるべき仕事が多く、キャリアアップには最適と言われています。
そこで、今回は病院のビルメンについていろいろと解説しましょう。
この記事をよめば、ビルメンの仕事に就くために有利な資格なども分かります。ビルメン業界に就職したいという方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ビルメンの基礎知識
はじめに、ビルメンの仕事内容や求人・就職するために必要な資格などをご紹介します。どのような仕事なのでしょうか?
1-1.ビルメンの仕事とは?
ビルメンとは、不特定多数の方が利用する施設が、安全かつ衛生的に使い続けられるように設備管理を行う仕事です。ですから、ビル以外でも一定規模の床面積を持つ学校や病院・ホテル・旅館・劇場などもビルメンテナンス業務が必要になります。
一例をあげると、ビルに設置している計器類の測定や各種機器の管理などが主な仕事です。大きな故障の修理や法律で定められているような定期的なメンテナンスは専門の業者が行いますが、専門業者との連絡も仕事になります。
一昔前までビルメンと言えば、定年退職後に再就職する職場のイメージが強かったのですが、現在は専門知識を持つ方でないと務まらない仕事です。また、テナントが出入りする際の点検や手続きを行うこともあり、コミュニケーション能力も必要になります。
1-2.ビルメンの求人情報や働き方について
ビルメンは自社ビルを管理している職場と、ビルメンテナンス業務をさまざまな場所から請け負っている職場があります。多数のビルを所有している会社ですと、ビルメン専門の会社を作って社員を募集しているところもあるでしょう。求人はハローワークの他、ネットの求人サイトにも盛んに出されています。
ビルメンの仕事は夜間でないと行えない仕事もあり、3交代制で勤務を行う職場も珍しくありません。日勤だけ、夜勤だけという勤務形態は、正社員ではごくわずかでしょう。
1-3.ビルメンの職に就くために必要な資格とは?
ビルメンの職に就くために必須な資格はありません。しかし、
- 危険物取扱者乙種4類
- 第二種電気工事士
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械保安責任者
はビルメン4点セットと言われており、取得していればビルメン業界への就職や転職に大変有利です。最近では、この資格に消防設備士の資格を加え、ビルメン5点セットともいわれています。
また、
- 第三種電気主任技術士
- 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
- エネルギー管理士
の3つは、ビルメン三種の神器と呼ばれており、どれか一つでも取得していれば、四点セットを取得するよりビルメン業界の就職や転職に有利です。
2.病院でのビルメンテナンスの特徴
病院は、医師や看護師などたくさんの職員が働いています。また、電気・ガス・水道などのライフラインが止まれば入院患者の命にもかかわるでしょう。そのため、ビルメンも他の施設に比べれば厳しく行われています。
また、病院で働いている職員のほとんどが患者の治療や看護、事務処理にあたっており、雑務がすべてビルメンの仕事になっているところも珍しくありません。電球の交換から水道のつまり・清掃業務・カーテンレールの修理までビルメンの職員が行うこともあるでしょう。
そのため、他の職場に比べるとはるかに忙しい場所です。ビルメン業界では、病院でビルメンが務まればどこでビルメンを行っても大丈夫とも言われています。また、病院でのビルメンを行えばキャリアアップにもなるでしょう。
3.病院でビルメンに就くためには?
病院にビルメンとして就職するためには、2つの方法があります。1つは病院に直接雇用される方法です。この場合は、ビルメンテナンス業務とだけでなく、庶務や設備管理・清掃業務・警備などという名目で求人が行われることがあるでしょう。もう1つが、いろいろな場所のビルメンを請け負う会社に就職し、病院に派遣される方法です。こちらの場合は、必ず希望が叶うとは限りません。逆に、望んでいないのに異動で病院勤務になることもあります。
また、病院に派遣される場合は、時期が来たり本人が強く希望したりしたら勤務地が変わる可能性があるでしょう。一方病院に直接雇用される場合は、退職しない限り勤務地が変わることはほぼありません。
給与は、直接雇用と派遣では目立つほどの差はないでしょう。雇用形態よりも資格の有無や日勤・夜勤の割合によって給与の額は変わってきます。前項でご紹介したビルメン3種の神器やビルメン4点セットを取得していれば、資格手当が付いて給与がアップしやすいでしょう。また、夜勤が多いほど手当てがついて給与が多くなります。なお、病院のビルメンは日勤だけというところはほとんどありません。ビルメンが必要なくらい規模が大きな病院は、ほとんど入院施設があり、24時間体勢勤務です。ビルメンの仕事も24時間途切れることはないでしょう。
4.病院のビルメンに就くために有利な資格とは?
この項では、病院のビルメンになるために取得しておくと有利な資格をご紹介します。どのような資格なのでしょうか?
4-1.まずはビルメン4点セットにチャレンジしよう
ビルメン4点セットである
- 危険物取扱者乙種4類
- 第二種電気工事士
- 2級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械保安責任者
を取得すれば、危険物の取り扱い、電気工事・ボイラーの操作・空調の保安を行うことができます。これらの資格がないと、ビルメンといっても設備機器の点検や検針、雑用などしか行うことはできません。病院以外でもビルメンの仕事に就きたいならば、必ず取得をしておきましょう。これらの資格は基本的に試験を受けて合格しなければなりませんが、第二種電気工事士だけは、経済産業省の認定校を卒業しても資格が取得できます。これらすべての資格は、受験資格が特に定められていません。誰でも受験ができます。
資格試験の主催や申し込み方法などは、こちらの記事を参考にしてください。2級ボイラー技士・第三種冷凍機械保安責任者は年に1度、第二種電気工事士は年に2度(受験は年に1度だけ可能)の試験です。危険物取扱者だけは、ほぼ毎月試験が実践されています。
4-2.ビルメン3種の神器があれば完璧
- 第三種電気主任技術士
- 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
- エネルギー管理士
のビルメン3種の神器を取得していれば、ビルメン業界では重宝されるでしょう。第三種電気主任技師の資格があれば、事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができます。病院には、ほぼ確実に事業用電気工作物が設置されているでしょう。
建築物環境衛生管理技術者は、特定建築物には必ず選任が義務づけられています。一定規模の面積を持つ病院にも専任が必要です。エネルギー管理士は、熱エネルギーや電力を一定以上消費する施設に選任が義務づけられています。病院でエネルギー管理士の選任が必要な場所はほとんどありませんが、取得しておくと転職に有利でしょう。
これらの資格は、合格率が数%~20%台と難関資格です。さらに、建築物環境衛生管理技術者とエネルギー管理士の資格を取得するには一定の実務経験が必要になります。第三種電気主任技術者には受験資格が定められていません。しかし、近年は合格率が数%の難関資格です。これらの資格は、3種絶対に取得が必要な訳ではありません。ビルメン4点セットを取得し、働きながらキャリアアップを目指す方は取得にチャレンジしてみましょう。ビルメン業界でずっと働き続けるなら、建築物環境衛生管理技術者は取得しておくに越したことはありません。第三種電気主任技術者は、ビルメン業界以外でも活躍できます。
これらの資格を取得するためには、みっちりと勉強をしなければ不可能です。受験科目・試験の主催団体・申し込み方法などは、こちらの記事に詳しく書かれています。勉強のコツなども載っていますので、資格取得を目指す方はぜひ読んでみてください。
5.病院のビルメンに対するよくある質問
Q.病院のビルメンには、男女関係なく就くことが可能ですか?
A.可能ですが、力仕事が多い職場はどうしても男性が有利でしょう。逆に、女性スタッフの多い病院は女性が重宝されます。
Q.すべての病院にはビルメンが必要なのでしょうか?
A.個人病院や入院施設のないクリニック・小規模な病院には必要ありません。必要なのは国立病院や総合病院・大学病院など大規模病院です。
Q.ビルメンは何でもやらなくてはならないのでしょうか?
A.なんでもというわけではありませんが、病院の場合は清掃業者では中々手が回りにくい箇所の清掃も業務に含まれることもあります。ですから、病院でビルメンとして働いているうちに対処できるトラブルが増えた、という方も多いのです。
Q.他の場所のビルメンに比べると病院のビルメンは給与が高いのでしょうか?
A.極端な差はありませんが、高めのところが多いと思います。
Q.パートやアルバイトとしてビルメン業務は行えるのでしょうか?
A.清掃や警備など限られた仕事ならばパートやアルバイトはありますが、総合的なビルメンは正社員が行うことがほとんどです。
6.おわりに
いかがでしたか? 今回は病院のビルメン業務についてご紹介しました。病院のビルメンはキャリアアップができるから歓迎という方もいれば、大変なのでできれば遠慮したいという方もいます。これからずっとビルメン業界で働いていくつもりなら、一度は経験をしておいてもよいでしょう。
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