ビルマネジメントの職務・仕事内容を解説! 就くために必要な資格は?
2017/05/09
2021/04/07
ビルマネジメント業務とは、ビルや商業施設のオーナーや所有会社の代役として、建物の営業・経理・対外交渉などを行い、利益を確保する仕事のことです。ビルメン(ビルメンテナンス業務)と混同されがちですが、ビルメンの仕事を統括するのがビルマネジメント業になります。ビルメンからビルマネジメント業界へ転職することができれば、昇給を望むこともできるでしょう。
そこで、今回はビルマネジメント業の仕事内容や、仕事に就くために必要な資格を紹介します。
この記事を読めば、ビルマネジメント業についての知識はバッチリです。建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてください。
1.ビルマネジメント業務の基礎知識
はじめに、ビルマネジメント業の仕事内容や必要とされる施設・ビルメンとの違いなどについて解説します。どのような仕事があるのでしょうか?
1-1.ビルマネジメント業の仕事内容
ビルマネジメント業とは、オフィスビルや大型商業施設などで、所有者に変わって収益の確保や事務仕事を行う仕事です。具体的な職務の一例をあげると、
- テナントの誘致
- 賃貸借業務の代行
- 賃料などの請求や回収
- ビルのリフォームや工事計画の立案
- 自治体へ提出する書類の作成や、監督署との対応
- 申請書類などの作成や提出
- 経理全般
- 施設管理の統括
などを行います。ビルマネジメントという役職があるわけではありません。ビルマネジメント業務を行う会社や部署に所属し、膨大な仕事を手分けして行うことになるでしょう。
1-2.ビルメンとの違い
ビルメン(ビルメンテナンス業務)は、ビル設備の保守管理・清掃・警備などを行う仕事です。つまり、施設が安全かつ衛生的に使用できるような環境を整え、それを維持していくのが主な職務になります。ビルマネジメント業務は、ビルメンの業務に就いている方を、統括することも仕事の一つです。ですから、仕事の内容を指示したり、清掃や警備を行う業者を決めたりすることもあります。
一般的には、ビルマネジメント業務はビルメンの上位に位置するものと考えられており、ビルメンの業務報告なども、経営者ではなく、ビルマネジメント業務に就いている人に対して行うのが一般的です。
ビルメンからビルマネジメント業務に転職すれば、給与もアップすることが多いでしょう。
1-3.ビルマネジメントを必要としている施設
ビルマネジメントは、オフィスビルや大規模商業施設などで主に必要とされます。特に、テナントによって収入が大きく左右されるような建物は、ビルマネジメント業務に就いている方の手腕が問われることでしょう。
1-4.ビルマネジメント業を行うには?
ビルマネジメント業は、複数のビル所有者から委託を受けて業務を行う専門の会社と、自社ビルのマネジメント業務を行う会社によって行われています。かつてはビルごとにマネジメント業務を行う部署などがありましたが、今は経費削減で複数のビルマネジメント業務を1つの会社や部署が行うのが主流です。
仕事は忙しいですが残業などはあまりなく、収入は400万円~というところが多いでしょう。不動産業や営業職から転職する方も珍しくない業界です。
2.ビルマネジメント業務に必要な資格とは?
ビルマネジメント業務に就くために、絶対に必要な資格はありません。しかし、全く無資格無経験で業務に就くのは難しいでしょう。ビルの管理に関する資格として、
- 建築物環境衛生管理技術者
- 建築施工管理技士
- ビル経営管理士
- 管理業務主任者
- 統括管理者
などを取得しておくと有利です。また、賃貸業やマネジメント業務にかかわる資格として
- 宅地建物取引士
- ファシリティマネジャー
などを取得しておくと、業務に役立つことでしょう。なお、ファシリティとは、業務用不動産(土地・建物問わず)を経営に最適な状態で保有・運営・維持するための最適な管理手法と定義されています。聞きなれない言葉ですが、ファシリティマネージャーを取得していれば、自分の管理手法能力を証明することもできるでしょう。
3.建築物環境衛生管理技術者について
この項では、ビルメン業界でもビルマネジメント業界でも必要とされる、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)について解説します。どのような資格なのでしょうか?
3-1.建築物環境衛生管理技術者とは?
建築物環境衛生管理技術者は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に沿って、建築物の維持管理や衛生管理の監督業務を行うことのできる資格です。
床面積が3,000平方m以上ある高層ビルやホテル・商業施設などや、床面積が8,000平方m以上ある学校は、同法律によって「特定建築物」に定められています。この特定建築物では、必ず建築物環境衛生管理技術者を選任しなければなりません。
なお、建築物環境衛生管理技術者は通称「ビル管理士」と言い、こちらの方が呼びやすいので、通称の方が広く使われています。
3-2.建築物環境衛生管理技術者とビルマネジメント業務
建築物環境衛生管理技術者は、ビルメン業務に就く場合大変有利な資格として知られていますが、ビルマネジメント業に就く場合も有利です。
建築物環境衛生管理技術者が行う仕事は、主にビルメンの総括や自治体へ提出する書類の作成、ビルの維持管理に関する問題点を探し、改善案の提案することなどですが、ビルマネジメント業と重なるものもたくさんあります。
ですから、建築物環境衛生管理技術者としてビルメンの責任者として働き、その経験を生かしてビルマネジメント業へ転職することもできるでしょう。ビルマネジメント業を行っている会社も、有資格者を求めています。
3-3.資格を取得する方法
建築物環境衛生管理技術者の資格は、で日本建築物環境衛生管理教育センターが主催する試験を受けて合格するか、医師や建築士・技術士など定められた資格を取得し、講習会を修了すれば取得できます。講習会は103時間ありますので、仕事をしながら受講する場合は、職場の理解が必要です。
資格試験を受ける場合は、2年以上ビル管理の実務経験が必要になります。近年の合格率は18%前後で、決して易しい試験ではありません。しかし、その分有資格者は重宝されるでしょう。こちらの記事に、試験を申し込む方法や勉強方法のコツなどが記載されています。あわせて読んでみてください。
4.ビルマネジメント業務に対するよくある質問
Q.新卒でビルマネジメントを行う会社に入社することはできますか?
A.はい。可能です。この場合は、働きながら資格を取得していくケースが多いでしょう。
Q.ビル管理にかかわる資格と、不動産関係の資格、どちらを優先して取得した方がいいですか?
A.ビルメン業務の実務経験があるならば、ビル管理士の資格取得を目指すとよいでしょう。他業種から転職する場合は、受験資格が定められていない、不動産関係の資格を取得しておくのもおすすめです。
Q.ビルマネジメント業務は女性でも行えますか?
A.はい。女性ならではのきめ細やかな心配りが重宝される職場も多いでしょう。
Q.ビルマネジメント業界へ転職したいのですが、何歳くらいまで需要があるものですか?
A.ビルマネジメント業務は、若い年代の方よりもある程度社会経験を積んだ人の方が適しているものも多いため、40代以降でも一定の求人があります。特に、不動産業界などから転職する場合は年齢が高くでも有利でしょう。
おわりに
今回は、ビルメンテナンス業務の仕事内容や。業界に就職するために取得しておくと有利な資格などについて紹介しました。ビルメンテナンス業務は責任ある重要な仕事です。施設をうまく管理できれば、より大きな施設の管理や運営を任されることでしょう。とてもやりがいのある仕事です。
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