ビル管理の業界に就職したい! 志望動機の書き方や答え方は?
2017/05/19
2019/03/07
ビル管理業務(別名、ビルメン業務)とは、オフィスビルや大規模な商業施設・学校・病院など不特定多数が利用する建物の保守管理を行う仕事です。警備・清掃・設備の点検管理と仕事内容は多岐にわたります。20年ほど前までは、「定年後の再就職先」というイメージが強かったのですが、現在はビル管理に必要な専門的な知識を持っている方が、持っている資格を活用して働く職場へと変化しているのです。そのため、取得している資格を活用して働きたい方が、ビル管理業務を行っている会社に就職を目指すという例も増えています。会社に就職するためには、志望動機の書き方や答え方も大切です。
そこで、今回はビルメンの職場に就職したい方向けに、志望動機の書き方や答え方を紹介しましょう。
この記事を読めば、ビルメンの仕事に就くために必要な資格なども分かりますよ。ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の資格を取得したい方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ビルメンの基礎知識
はじめに、ビルメンの仕事内容や必要としている職場について解説します。どのような建物がビルメンの職場となっているのでしょうか?
1-1.ビル管理の仕事とは?
ビル管理の仕事とは、安全かつ衛生的に建物を使うことができるように、建物を清掃したり設備を保守管理したりする仕事のことです。オフィスビルや大規模商業施設などでは、毎日大勢の方が建物に出入りしますし、空調など建物を快適に使うための設備も増えていきます。そのため、清掃や設備の整備点検は定期的に行うことが大切です。
また、施設の種類によっては、テナントの管理やクレーム処理、自治体との折衝なども仕事というところもあるでしょう。
1-2.ビル管理の重要性
前述したように、ビルは不特定多数の方が長時間利用します。そのため、設備が汚れていたりしょっちゅう故障したりしているようでは、ビル全体の評判が下がるでしょう。ビルの多くが、スペースにテナントを入れることで運営を行っていますが、管理の行き届いていないビルには、築年数が浅くてもテナントが集まりにくくなるのです。
逆に、古くても管理の行き届いたビルは古さが一種の魅力となることもあり、人気があります。
1-3.ビルメンに資格は必要?
ビルメン業務自体は、無資格でも就くことができます。しかし、事業用電気工作物(ビルに備え付けてある電気設備)の自主点検や、ボイラーの取り扱い業務・空調の保安業務を行うためには、国家資格が必要です。また、建築物清掃管理評価資格者や貯水槽水道衛生管理士など、自分の技術を証明できる民間資格などもありますので、取得しておくと便利でしょう。
なお、床面積が3,000平方メートル以上の店舗や事務所、博物館、ホテル・公共施設、床面積が8,000平方メートル以上の学校施設には、建築物環境衛生管理技術者の選任が必要です。
2.ビル管理に必要な資格の種類
この項ではビル管理に必要な資格について詳しく解説します。どのような資格があるのでしょうか?
2-1.ビルメン4点セットについて
ビルメン業界に就職したいと思っている方なら、「ビルメン4点セット」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これは、
- 第二種電気工事士
- 危険物取扱者乙種4類
- 第三種冷凍機械責任者
- 二級ボイラー技士
この4つの資格を指す言葉です。電気工事士の資格を取得していれば、電気工事を行うことができます。危険物取扱者は、ビルに指定数量以上の危険物(燃料用の灯油など)が保管されている場合、必要な資格です。第三種冷凍機械責任者の資格を取得していれば、空調設備の保安業務を行えます。暖房設備にボイラーを使用している施設の場合は、二級ボイラー技士の資格があれば、ボイラーの取り扱いが可能です。
これらの資格は、すべて受験資格が定められていません。ですから、性別や学歴・職歴などにかかわらず資格試験を受けることができます。4つの資格をすべて取得しておく必要はありませんが、複数の資格を取得しておくと有利でしょう。
2-2.ビルメン3種の神器について
ビルメン3種の神器とは、
- 建築物環境衛生管理主任技術者(ビル管理士)
- 第三種電気主任技術者(電験三種)
- エネルギー管理士
の3つの国家資格を指します。どれも難易度が高い試験なので、1つでも資格を取得していれば、ビル管理の仕事をする際に大変有利です。中でも建築物環境衛生管理主任技術者は、前述したように一定以上の床面積を持つ建物には選任が必要ですので、ビル管理を一生の仕事とするならば、ぜひ取得しておきましょう。ビルメン3種の神器については、こちらの記事にも詳しく書かれていますので、あわせて読んでみてください。
2-3.無資格でもビル管理の仕事にはつける?
無資格でも、ビル管理の仕事に就くことは可能です。しかし、できる仕事は限られていますし、会社からはできるだけ早く何らかの資格を取得するようにすすめられることもあるでしょう。また、無資格者と資格保持者では、昇給や昇進のペースも異なります。ビル管理を一生の仕事とし、ビルメン業務からビルマネジメント業務へステップアップを考えている方は、仕事をしながらでも資格取得を目指しましょう。
3.ビル管理業務の働き方
ビル管理の仕事に就くには、ビル管理の仕事をいろいろなビルから請け負っている会社か、自社ビルを専門に管理している会社に就職するのが一般的です。ビル管理の仕事は24時間体制で行っているところも多く、3交代制勤務のところも珍しくありません。特に、電気設備の点検や警備は夜間に仕事をすることが多いので、夜間の方が忙しいというところもあるでしょう。
オフィスビルはカレンダーどおりに休めるところもありますが、商業施設などは土日祝日の方が忙しいため、カレンダー通りに休めないところが一般的です。
ビル管理の仕事は、インターネットの転職サイトやハローワークにも求人がでています。「ビルメン・ビル管理業務・求人」で検索すれば、多数の求人がヒットするでしょう。
4.ビル管理の志望動機について
この項では、ビル管理の仕事に就いた方の志望動機について説明します。どのような志望動機を語れば、就職しやすいのでしょうか?
4-1.志望動機とは?
志望動機とは、面接試験で問われる「なぜこの仕事に就きたいか」という理由です。なんと答えても自由ですが、やはり会社としては、末永く真面目に働いてくれる方を雇用したいと思っているでしょう。そのため、志望動機の内容が面接の合否を左右することもあります。
4-2.志望動機の答え方
志望動機は、転職や新卒でも内容が変わってくるでしょう。また、資格の有無でも志望動機の内容は変わってきます。新卒の場合は、ビル管理の職務経験を積み、建築物環境衛生管理主任技術者の資格を取得したいというような、具体的な目標を志望動機にしてもいいですね。
転職の場合は、
- 取得した資格を活用したい
- 今まで技術者として培ってきた仕事の経験を役立てたい
- 少しでも長く働きたい
ということを、志望動機として語るとよいでしょう。また、資格を取得していない場合は、「この時期までに資格を取得したいと考えています」と具体的な計画を述べてみるとやる気が伝わります。
4-3.注意点
志望動機は、あまり仰々しすぎても面接官の心に響きません。ビル管理の仕事は実務経験を積めば、建築物環境衛生管理主任技術者試験の受験資格を得られることや、資格を活用して働けることが大きな魅力だったりします。その魅力と自分の目標を組み合わせて志望動機にするのも一つの方法です。
また、定年を超えても働く方が多い職場ですので、その点を挙げて志望動機にしてもよいでしょう。
5.ビル管理の仕事に関するよくある質問
Q.新卒でビル管理の仕事に就く場合は、やはり工業系の高校や大学を出ておいた方が有利でしょうか?
A.設備の管理をしたいのなら、工業系の学校を出ておいたほうが有利です。その一方で、テナントの管理やテナントの誘致・賃借料の徴収や管理などを行いたいという場合は、文系の方が有利なこともあります。
Q.面接では、どのような点を重点的にチェックされるのでしょうか?
A.新卒であれば、将来の目標やこの仕事を選んだ理由などを詳しく聞かれることが多いと思います。転職の場合は、取得している資格や資格を活用して働いた経験、さらに転職する理由などをチェックする会社もあるでしょう。
Q.ビル管理の仕事に必要なものはなんですか?
A.設備に関する知識はもちろんのこと、テナントとの交渉やクレーム処理などをすることもあるので、コミュニケーション能力も必要でしょう。たとえ技術職で入社したとしても、テナントの方と会話することもあります。
Q.日勤だけの仕事などはありませんか?
A.清掃や設備の保安監督業務を統括する立場になれば、日勤だけの勤務という職場が多くなります。最初から日勤だけの仕事を探すより、昇進をして日勤だけの勤務を目指す方がよい場合もあるでしょう。
Q.志望動機は求人票に記載されていた会社の給与がよかったから、というのが一番なのですが、それを正直に言ってもよいですか?
A.給与が高いのは魅力の一つですが、それをストレートに言うよりも「御社に長く勤めたいと思う条件がそろっていました」というような言い方をするのがよいでしょう。
おわりに
今回はビル管理の仕事に就く場合の志望動機を中心に解説しました。ビル管理の仕事に就く場合は、資格取得も大切ですが、ある程度面接対策もしておきましょう。機械いじりが好き、という理由も好意的に受け止められやすいと思います。面接官の第一印象がよければ、少々スキル不足でも雇ってもらえる可能性が高くなるでしょう。
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