送気式潜水の特徴や必要な装備について~送気式潜水の基礎知識~
2015/12/21
潜水にはさまざまな種類があります。
「送気式潜水」は船からホースをとおして酸素を送りこむ潜水です。
潜水を目指している人は、それぞれ種類の特徴を知ると良いでしょう。
これから、送気式潜水の特徴や装備、注意点、送気式潜水士になる方法・必要な資格について説明します。
送気式潜水について気になっている人は、ぜひ参考にしてください。
1.送気式潜水の特徴
送気式潜水はスキューバーダイビングとは異なった潜水方式です。
潜水にもさまざまな方式はありますが、今回は「送気式潜水」をピックアップして説明していきましょう。
これから、送気式潜水の特徴をご紹介します。
1-1.圧縮空気を潜水者に送りこむ方法
南国の観光地ではスキューバーダイビングが人気です。
一般的に、スキューバーダイビングは背中に空気が入っているタンクを背負って潜水します。
しかし、送気式潜水は圧縮空気を船から海の中にいる潜水者に送りこむ方式です。スキューバーダイビングとはまったく異なるでしょう。
酸素はホースによって潜水者に送ります。
よって、別名「ホース式潜水」とも呼んでいるのです。
ホースは潜水者のヘルメットとつながっています。呼吸ガスを確保する心配がありません。
時間制限がなく、長時間の潜水が可能になります。
空気を供給するためのホースに傷が入ると空気を送りこむことができません。
しかし、かぶるヘルメットやマスクには手動の空気供給バルブがついているので、供給が断絶することはほとんどないのです。
より安心して潜水できる方式になるでしょう。
1-2.旧式の「ヘルメット潜水」と新式の「フーカー潜水」
送気式潜水にも2つの潜水方式があります。
従来の方式である「ヘルメット潜水」と、近代的と言われている新式の「フーカー潜水」です。
現在では、主にフーカー潜水の使用が増えています。
従来の旧式「ヘルメット潜水」は、防水素材でつくっている潜水服・ガラス窓つきの金属製ヘルメット使用する方式です。
フーカー潜水と大差ありませんが、「動きやすさ」と「安全面」に大きな違いがあります。
ヘルメット潜水は非常に古いシステムで動きにくいので、潜水士の体力や知能が必要不可欠です。
一方、新式の「フーカー潜水」は動きやすく、安全面に優れています。
作業潜水用としてつくっているため、非常に動きやすいのが特徴的です。
海の中で作業をする作業潜水士がよく使用しています。
1-3.送気式潜水の潜水可能深度
海の中は空気がある場所とは違い、水圧力が体に影響します。
潜水士はきちんと規則で決まっている「深度」を守らなければなりません。
送気式潜水で可能な潜水の深度は、およそ50mになっています。通常の空気を使う場合は窒素・酸素中毒に注意が必要です。
50mが最も安全限界に近いと言われています。
しかし、実際のところ、水深60m~70mまでもぐるケースもあるでしょう。
また、北海の海底油田などでは水深100mで使用するケースもあるようです。
水深100mまでもぐるときは、水中エレベーターや潜水艇を一緒に使用します。
使う空気も普通の酸素ではなく、混合ガスになるでしょう。
2.送気式潜水の装備と注意点
2-1.送気式潜水に必要な装備とは
潜水方式によって必要な道具が異なります。
送気式潜水でも潜水状況によって多少異なりますが、主な潜水装備は全部で4つです。「ヘルメット・マスク」、「空気供給ホース」、「ダイビングスーツ」、「予備空気供給装置」になります。
以上の4点は、潜水するために必要不可欠な装備です。
「ヘルメット・マスク」は主に、繊維強化プラスチック(FRP)でつくっています。とても軽いので動きやすくなるでしょう。
ヘルメット、または、フルフェイスとも呼んでいるマスクを使用します。
一般的に、マスクやヘルメットの中には鼻と口をおおうマスクがついているでしょう。鼻と口をおおうマスクは“換気効率”を高めるために必要です。
そして、空気を送りこむのに必要な「空気供給ホース」は、水中の通信装置と一体化します。
ヘルメットについているバルブをとおって、レギュレーターに接続するでしょう。
「ダイビングスーツ」は、長時間潜水できるよう“ドライスーツ”を使用することが多いです。
最後の「予備空気供給装置」は、ホースが故障したときに大活躍します。
2-2.送気式潜水の注意点
船からホースをとおして空気を送る送気式潜水は注意点があります。
送気式潜水において空気の流れを把握しなければなりません。
空気の流れはコンプレッサーから逆止弁→調整空気タンク→予備空気タンク→空気清浄装置→流量計になります。そして、流量計から送気ホース→腰バルブ→ヘルメットの順で空気がやってくるのです。
それぞれの順番は大切なポイントになります。
特に、逆止弁・空気清浄装置・流量計の位置には注意してください。
また、コンプレッサーによって空気を送りこむ際、潜水者ごとに必ず「空気タンク・予備空気タンク」を取りつけなければなりません。
安心して潜水するためにも、「予備空気タンク」は必要不可欠です。
3.送気式潜水士になる方法・必要な資格
3-1.潜水士試験を受ける
送気式潜水士にかかわらず、潜水士になるには“潜水士試験”の合格が必要です。
潜水士の資格を取得しなければ送気式潜水士になることはできません。
潜水士の資格試験は、公益財団法人の安全衛生技術試験協会が運営しています。
日本各地にセンターがあるので、地域ごとに試験を受けることができるでしょう。
北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州によって試験日程が異なります。
試験を受ける際は必ずホームページなどで確認してください。
潜水士の資格は国家試験の1つです。
また、合格率も高く、取得しやすいと言われています。
試験は筆記だけですが、専門用語がたくさん出てくるので勉強しなければわかりません。
3-2.潜水士試験の勉強方法
独学で勉強している人もいれば、資格学校にかよっている人もいます。
勉強方法は人によってさまざまですが、仕事をしながら勉強するのは大変です。
そこで、おすすめしたいのが通信講座になります。
通信講座なら自分のペースで勉強できるので気軽に続けることができるでしょう。
また、試験合格に必要なところだけピックアップした教材も得ることができます。
専用の教材を使用して自分のペースで勉強してみてはいかがでしょうか。
自分のライフスタイルに合った勉強法で潜水士試験の合格を目指してくださいね。
4.まとめ
送気式潜水の特徴や装備と注意点、送気式潜水士になる方法、必要な資格について説明しました。いかがでしたでしょうか。
送気式潜水は船から直接空気を送りこむ方式になります。空気を送りこむために必要なホースがなければ潜水できません。
また、ホースがなくても空気の供給が止まらないように、予備の空気タンクを潜水士ごとに取りつける必要があります。
送気式潜水士になるためにも、専門用語や必要な道具、特徴をしっかり把握しておきましょう。
そして、潜水士資格を取得しなければ送気式潜水士になることができません。
潜水士資格は国家試験の1つです。
合格率は高いですが、勉強をして知識を身につける必要があります。
自分のライフスタイルに合った勉強法で潜水士試験の勉強を続けていきましょう。
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