ボイラー技士は工場での需要が高い?! 取得すべき区分や勉強のコツ!
2019/05/31
「資格を取得し、転職や就職に役立てたい」と考えている人は多いことでしょう。取得すればすぐに仕事で役立つ資格の1つに、ボイラー技士があります。ボイラーはさまざまな場所で使われていますが、特に工場では大型ボイラーが活躍しているところが多いでしょう。
そこで今回は、工場で求められているボイラー技士について解説します。
この記事を読めば、ボイラー技士を取得するメリットや方法もよく分かるでしょう。ボイラー技士の資格取得を考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ボイラー技士の役割と工場での需要
はじめに、ボイラー技士ができることや、工場で働く際に行う主な業務などを紹介します
1-1.ボイラー技士はボイラーの操作などを行える資格
ボイラー技士は、ボイラーの操作・点検・管理・調整・検査などを行うことができる国家資格です。ボイラーは、簡易ボイラーと小型ボイラーを除き、ボイラー技士の資格がないと操作できません。また、ボイラーを取り扱っている施設では、伝熱面積に応じて特定の資格区分を持つボイラー技士を取扱作業主任者に選任する必要があります。
1-2.ボイラー技士の資格区分は3つ
ボイラー技士の資格区分は、以下のとおりです。
- 二級: 伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラーの取扱作業主任者に選任可能
- 一級:伝熱面積の合計が500㎡未満のボイラーの取扱作業主任者に選任可能。ただし、貫流ボイラーのみを取り扱う場合において、その伝熱面積の合計が500㎡以上のときを含む
- 特級:すべてのボイラーの取扱作業主任者に選任可能
なお、この区分は「取扱作業主任者」に関するもので、二級でも取り扱いだけならばどのような大きさのボイラーもできます。
1-3.工場ではボイラーの運用から管理まで任せられる
ボイラーが設置してある工場では、ボイラー技士を取扱作業主任者に選任し、ボイラーの取り扱いや管理まで任せるのが一般的です。ボイラー技士はボイラーを安全に運転し、故障などが発生しないように管理するのが主な仕事になるでしょう。なお、ボイラーの整備をするためには、「ボイラー整備士」という別の資格が必要です。
2.工場で必要とされるボイラー技士について
この項では、工場で需要が多いボイラー技士の資格区分について解説します。
2-1.工場で使われているボイラーは大型のものが多い
ボイラーは、設置している施設ごとに使い道が異なります。ボイラーで大量に沸かしたお湯を利用する施設もあれば、お湯を沸かして発生させた蒸気を動力源として用い、機材を動かすところもあるでしょう。工場では、主に蒸気を動力源として使うためにボイラーを用います。そのため、大型のボイラーが設置されていることが多いでしょう。
2-2.工場で求人があるボイラー技士は特急・一級
大型ボイラーの取扱作業主任者の選任を受けられるのは、一級や特級です。ボイラーを取り扱うだけならば二級でも行えますが、取扱作業主任者の選任は法律で義務づけられていることから、求人は一級や特級が多いでしょう。二級の求人も皆無ではありませんが、一級や特級よりも数は少ないのが現状です。
2-3.転職先として工場を選ぶのもおすすめ
二級ボイラー技士は、資格を取得するために必要な条件は定められていません。だれでも資格試験に合格すれば、ボイラー技士の資格を取得できます。一方、一級や特級は以下のような受験資格が必要です。
- 一級:二級ボイラー技士免許を取得後、2年以上の取り扱い経験か1年以上ボイラー取扱作業主任者の経験など
- 特級:一級ボイラー技士免許を取得後、5年以上の取り扱い経験か3年以上のボイラー取扱作業主任者の経験など
ですから、二級ボイラー技士を取得後に工場以外の場所で実務経験を積み、一級や特級取得後にボイラー技士の経験を活用して工場に転職してもいいでしょう。
3.ボイラー技士の資格取得方法
この項では、ボイラー技士の資格取得方法を紹介します。
3-1.ボイラー技士は資格試験で取得する
ボイラー技士の資格は、安全衛生技術試験協会が主催するボイラー技士試験に合格すれば取得すれば取得可能です。講習受講などでは取得できないので注意しましょう。前述したように、資格区分のうち二級のみ受験資格がありません。ですから、まず二級から挑戦しましょう。ただし、ボイラー技士の免許交付の条件は18歳以上です。18歳未満で試験に合格した場合は、18歳の誕生日を待って免許を交付してもらいましょう。また、実務経験がない人が二級の試験に合格した場合は、3日間の普通職業訓練を修了する必要があります。
3-2.ボイラー技士の試験は学科試験のみ
ボイラー技士の試験は4科目の学科試験のみで、実技試験などはありません。
- ボイラーの構造に関する知識
- ボイラーの取扱いに関する知識
- 燃料・燃焼に関する知識
- 関係法令
科目数や科目内容は全資格区分共通ですが、試験時間が全科目合計で二級は3時間、特級・一級は4時間と長くなっています。全科目総合で60%以上の得点率で合格です。ただし、1科目でも40%以下の得点だと不合格となります。ちなみに、特級に限り科目合格があり、2年間で全科目を合格すれば合格です。
3-3.試験は毎年複数回行われる。
ボイラー技士の試験は資格区分によって行われる回数が異なります。実施回数は、二級が毎月、一級が2か月に1度、特級が年に1度です。ですから、二級ボイラー技士は挑戦しやすい資格といえるでしょう。試験は、全国の安全衛生技術センターで行われます。各都道府県ではないので、遠方の人は宿泊の準備をしておいてください。年に1度全国で出張試験が行われるので、それを利用してもいいでしょう。センターの場所や試験の日程については、安全衛生技術試験協会のサイトを参照してください。試験の申し込み方法は、安全衛生技術試験協会や各センターから願書を入手し、必要事項を記入した後で受験を希望する安全衛生技術センターへ郵送しましょう。電子申請は行っていません。受験料はすべての試験区分で6,800円です。
4.ボイラー技士に関するよくある質問
この項では、ボイラー技士に関する質問を紹介します。
Q.ボイラー技士は二級から順に取得していかなければダメですか?
A.はい。実務経験が必要なので順番に取得していきましょう。
Q.ボイラー技士試験はどこのセンターで受けても大丈夫ですか?
A.はい。日本全国の安全衛生技術センターで、年に何度受けても構いません。
Q.二級ボイラー技士では工場で仕事をすることは難しいですか?
A.いいえ。たとえば、ボイラーの管理や取り扱いに複数の人が必要な場合で、一級や特級のボイラー技士がすでに取扱主任者としているときは、二級でも採用されることがあるでしょう。
Q.ボイラー技士と一緒に整備士も取得したほうがいいですか?
A.取得すれば仕事の幅が広がりますが、まずはボイラー技士取得を目指しましょう。
Q.ボイラー技士は女性でも活躍できますか?
A.もちろんです。工場以外でも女性が多く利用する施設は、ボイラー技士も女性が求められるケースがあります。
まとめ
今回は、工場に需要があるボイラー技士について解説しました。ボイラー技士は工場以外にも需要がある資格です。二級を取得して実務経験を積み、さらに上の資格区分を取得して工場に転職してもいいでしょう。
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