無線従事者はどんなところに求人がある資格?就職状況と共に徹底解説
2017/03/14
無線従事者とは、電波法に定められた無線設備の操作や監督を行うことができる資格です。無線というと、通信設備をイメージする方が多いと思いますが、携帯電話の基地局やテレビ局やラジオ局も無線電波を飛ばす基地局の一種になります。つまり、テレビやラジオが利用できるのも携帯電話が使えるのも、無線従事者が的確に無線設備を捜査しているおかげ、といえるでしょう。
今回は、無線従事者の資格や求人・就職の状況についてご紹介します。
この記事を読めば、無線従事者の資格を取得するメリットや、活躍の場が分かることでしょう。無線従事者の資格を取得したいと思っている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.無線従事者に関する基礎知識
はじめに、無線従事者の資格とはどういうものかということや、資格を取得すると行えることなどをご紹介します。どのような資格があるのでしょうか?
1-1.無線従事者とは?
無線従事者とは、前述したように無線設備を取り扱うことのできる資格です。無線設備というのは、無線電波を受信したり発信したりできる設備の総称であり、飛行機や船のレーダー・無線通信機・携帯電話の基地局・テレビ局・ラジオ局の設備も無線設備に含まれます。
携帯電話の基地局など小規模な無線局が増加するのに伴い、1990年には主任無線従事者という資格が新たに設定されました。主任無線従事者の監督下の元でならば、無資格者でも無線設備を特定の操作に限って扱えます。しかし、モールス信号の送信などできないことも多いので、無線設備を扱う仕事に就きたい場合は、無線従事者の資格は取得しておきましょう。
1-2.無線従事者資格の種類とは?
無線従事者の資格には
- 総合無線通信士(1級~3級)
- 海上無線従事者(一~四級の海上無線通信士・一~三級、レーダー級の海上特殊無線技士)
- 陸上無線従事者(一・二級の陸上無線技術士・一~三級の陸上特殊無線技士・国内電信級陸上特殊無線技士)
- 航空無線従事者(航空無線通信士・航空特殊無線技士)
- アマチュア無線技士(一~四級)
があります。主任無線従事者はアマチュア無線技士以外の無線従事者の資格を取得し、一定時間の講習を受けることで取得可能です。総合無線通信士以外は、取得した資格の区分(陸・海など)に関する無線設備の操作しか行うことができませんので、注意しましょう。
1-3.なぜ、無線設備を扱うのに資格が必要なのか?
私たちの周りには、目に見えないだけでさまざまな周波数の電波が飛び交っています。テレビとラジオを隣同士で使っても混線しないのは、それぞれ受信できる周波数が異なっているためです。日本では、電波法という法律に基づいて電波の送受信が行われています。もし、電波法に違反した電波がさまざまな場所で使われたら、テレビ・ラジオ・電話など私たちの身近にある機械も悪影響を受けるでしょう。また、防災無線や飛行機や船から陸上の基地へ発信される通信無線が妨害された場合は、大事故につながるかもしれません。
ですから、無縁設備の操作は電波に関する正確な知識を持った無線従事者によって、行われることが必要です。
2.無線従事者を求めている職場とは?
無線従事者は、無線設備が設置されている、ありとあらゆる職場で必要とされています。例えば、
- 無線設備やレーダーを搭載している船舶や航空機
- 船舶や航空機と無線でやり取りを行う陸上の設備
- 携帯電話の基地局・ラジオ局・テレビ局・その他無線設備が設置されている場所
などです。警察や消防署にも無線設備が設置されていますので、無線従事者が必要になります。船舶や航空に関わる仕事をしているならば、海上や航空の無線従事者資格を取得しておくとよいでしょう。無線従事者の資格をとりあえず取得したいという方は、携帯電話の基地局などで働くことができる、陸上無線従事者の資格取得にチャレンジしてみるとよいですね。
無線従事者を求めている職場は、民間企業だけではありません。公務員として働ける職場もたくさんあります。民間企業で働く場合は、無線通信士・無線技術士など上位資格を持っていれば、600万円~800万円の年収を得ることもできるでしょう。公務員になれば定年まで安定した収入も見込めます。無線従事者の資格は受験資格が定められていませんから、若い年代のうちに勉強をして資格を取得しておくのもおすすめです。
3.おすすめの無線従事者資格とは?
無線従事者の中でも、総合無線通信士はどこに設置されている無線設備でも扱うことができます。取得していれば、いろいろな場所で働くことができますし、求人率も高いのです。しかし、総合無線通信士は資格の難易度も高く、取得は一筋縄ではいきません。無線従事者の資格を取得するには、試験を受けて合格する方法と日本無線協会の認定を受け、養成課程を設置している学校で指定された単位を取得する方法があります。
陸・海・空の特殊無線技士と航空無線通信士は、養成課程を修了すれば取得可能です。ですから、養成課程を修了するか試験を受けてまずは特殊無線技士の資格を取得し、その後無線通信士や無線技術士の資格を取得してもよいでしょう。陸や海の一級無線技術士・一級無線通信士を取得しても、求人は豊富です。
4.無線従事者の資格を取得する方法
この項では、無線従事者の資格を取得する方法や勉強のコツをより詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
4-1.国家試験の内容について
前述したように、無線従事者の資格は養成課程を修了するか、試験を受けて合格する必要があります。試験の内容は受験する資格によって異なりますが、
- 法規
- 英語
- 無線工学
- 地理
- モールス信号
などが出題されます。合格点も各資格によって異なりますので、詳しくは日本無線協会のホームページをご覧ください。受験科目免除の条件なども記載されています。受験の申し込みも可能です。試験は、各試験ごとに年2~3回行われますので、都合のいい試験日程で受験しましょう。可能ならば、1年のうちで何回受験しても問題ありません。
なお、試験によっては受験地が大阪や東京など、大都市に限られているものもあります。自分が受ける試験の日程や受験地を早めに確かめ、必要ならば宿泊場所なども確保しておきましょう。
4-2.試験の難易度などについて
無線従事者の試験は、難易度が資格によってかなり異なります。最も難易度が高い資格は、総合無線通信士であり、合格率は10%以下です。また、比較的易しいといわれている陸・海・空の特殊無線技士も、合格率は30%~40%となっています。しっかりと勉強していないと受からないと思いましょう。
全く知識がない状態から無線従事者の資格を取得しようと思う場合、腕試しにアマチュア無線技士の資格にチャレンジしてみるのもいいですね。
4-3.勉強方法について
無線従事者の勉強は、暗記が中心です。暗記ができていれば、合格は可能でしょう。そのため、アマチュア無線技士ではありますが、たびたび未就学児が合格して話題になっています。とはいえ、各資格の1級ともなれば、暗記しなければならない量も増えるので、内容をしっかりと理解したうえで暗記をすることが大切です。
無線従事者の勉強方法は、独学と通信教材を利用する方法があります。ネットショップを利用すれば、いろいろな参考書や過去問題集が購入できるので、それらを購入して勉強しましょう。参考書を読んで過去問題を解く、という勉強をくり返すのが基本です。
5.無線従事者の求人・就職に関するよくある質問
Q.特殊無線技士よりも無線技術士・無線通信士の方が需要は高いのでしょうか?
A.はい。無線技術士・無線通信士は特殊無線技士の上位資格ですから、需要はあります。特殊無線技士の資格を取得したら、チャレンジしてみましょう。
Q.無線従事者は学生のうちに資格を取得することはできますか?
A.はい。可能です。工業高校や工業大学では、積極的に資格取得をすすめるところもあるでしょう。
Q.総合通信士の資格試験には、なぜ英語や地理があるのですか?
A.場合によっては外国の方と通話する必要があるため、英語は必須になっています。
Q.アマチュア無線技士の資格では、一般的な無線設備は使えませんか?
A.はい。使えません。アマチュア無線基地局の設備だけ扱うことができます。
Q.アマチュア無線技士の資格を取得していれば、他の資格も取得は容易ですか?
A.容易というほどではありませんが、知識がある分勉強も理解しやすいでしょう。
おわりに
今回は無線従事者の求人や就職についてご紹介しました。皆様が思っている以上に求人が多く、転職に有利な資格です。一緒に電気工事士の資格を取得していれば、無線設備の電気工事も行うことができるので、より重宝されるでしょう。特に、携帯電話の基地局は求人が多いので、陸上無線従事者の資格を取得しておくと有利です。
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