第一級陸上特殊無線技士の過去問活用法を知りたい! 勉強のコツは?

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第一級陸上特殊無線技士(一陸特)とは、無線従事者の資格区分の一つです。陸上にある無線局で無線通信設備を技術的に操作するために必要な資格であり、取得すれば携帯電話の基地局などで働くことができます。携帯電話の普及により、ここ10年ほどずっと需要が増し続けている資格のため、取得を目指している方も多いことでしょう。

そこで今回は、第一級陸上特殊無線技士の試験取得方法や、過去問について解説します。

  1. 無線従事者の基礎知識
  2. 第一級陸上特殊無線技士の資格取得方法
  3. 第一級陸上特殊無線技士の過去問について
  4. 勉強方法のコツ
  5. 第一級陸上特殊無線技士に対するよくある質問

この記事を読めば、第一級陸上特殊無線技士の資格取得方法がよく分かるでしょう。資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.無線従事者の基礎知識

はじめに、無線従事者とは、どのようなことが行える資格かということを解説します。取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

1-1.無線従事者とはどのような資格?

無線従事者とは、無線機器を技術的に操作して無線通信を行うことのできる資格です。無線通信とは、電波に画像や音声を乗せて通信を行う方法であり、テレビ・ラジオ・携帯電話・無線LANも無線通信の一種になります。無線通信を行う場合は、電波法という法律に沿った方法で行わなければなりません。無線通信を好き勝手行うと、電気機器に深刻な障害が出る可能性もあります。そこで、無線従事者という資格を設け、専門的な技術や知識を持った人でないと無線通信を行えないようにしているのです。

なお、1990年に電波法が改正され、主任無線従事者の監督下ならば無資格者でも限られた無線機器操作を行うことができるようになりました。ただし、モールス信号の発信などは行えないため、一生の仕事として無線機器の操作を行いたい場合は資格を取得する必要があります。

1-2.無線従事者の種類

無線従事者は、無線従事者には総合・陸上・海上・航空・アマチュアの5種類があります。このうち、アマチュアの資格はあくまでも趣味の範囲で無線通信を楽しむための資格です。ですから、無線通信に関する仕事を行いたい場合は、総合・陸上・海上・航空の資格が必要になります。
なお、第一級陸上特殊無線技士は陸上の資格区分の中に入り、この他に、

  • 陸上無線技術士(第一級・第二級)
  • 陸上特殊無線技士 (第一級~第三級)
  • 国内電信級陸上特殊無線技士

以上のような資格区分があるのです。陸上特殊無線技士は陸上無線技術士の下位資格に当たり、第一級は30MHz以上の電波を使用する空中線電力500kW以下の無線機器を取り扱うことができます。ただし、放送局の無線機器の操作を行うことはできません。

1-3.陸上無線従事者の特徴

陸上無線従事者が取り扱えるのは、陸上同士で無線通信を行う無線機器です。航空機や船舶と無線通信を行う場合は、陸上の無線基地局であっても、海上無線従事者・航空無線従事者の資格が必要になります。
陸上無線従事者が操作する無線局は、携帯電話の基地局・タクシーをはじめとする車と無線通信を行う基地局・テレビの中継局・放送局などです。
陸上の無線基地局は、ここ10年ほど小規模なものが増加し続けています。ですから、有資格者の需要も増加傾向が続いているのです。第一級陸上特殊無線技士の資格を取得していれば、小規模な陸上無線基地局の無線機器操作は問題なく行えます。そのため、携帯電話の基地局の管理などを任される仕事では、第一級陸上特殊無線技士の有資格を常に求めているのです。資格を取得していれば転職や就職に役立つでしょう。また、電気工事士の資格などを併せ持っていれば、無線機器の電気工事も行うことができます。

2.第一級陸上特殊無線技士の資格取得方法

この項では、第一級陸上特殊無線技士の資格を取得する方法などについて解説します。どうすれば取得できるのでしょうか?

2-1.資格取得方法

第一級陸上特殊無線技士の資格を取得するには、2つの方法があります。1つは養成課程を修了して修了試験に合格する方法です。もう1つは、日本無線協会が主催する資格試験を受け、合格する方法になります。養成課程を受講するには、以下のような条件を満たしている必要があるのです。

  • 大学や短大・専門学校・高校などで電気通信関する学科を卒業する
  • 第二級・第三級の総合無線通信士の有資格者
  • 航空無線通信士の有資格者
  • 第一級陸上特殊無線技士の選抜試験に合格した人

これ以上詳しいことは、協会のホームページで確認してください。養成課程は全国で受講することができ、eラーニングでも受講可能ですが、54時間も受講時間がかかります。受講料は69,548円で、決して安くはありません。時間とお金がかかっても確実に資格を取得したい方向けの方法です。

資格試験には、受験資格がありません。学歴や職歴・年齢・性別問わずに受験可能です。また、受験に合格すればすぐに資格を取得できるので、受講資格を満たしていても試験に挑戦する方もいます。無資格無経験の状態から第一級陸上特殊無線技士の資格を取得したい場合は、試験に挑戦しましょう。

2-2.試験科目や日程などについて

第一級陸上特殊無線技士の資格試験は、無線工学・法規の2科目の学科試験です。2科目しかありませんが、無線工学は120点満点中75点、法規は60点満点中40点以上取得が合格の条件となっています。そのため、多くの受験生が1問のミスで不合格になっていおり、合格率は35%前後と、決して高くはありません。
なお、無線従事者の別の資格区分を取得している場合は、試験の一部が免除になりますので、詳しくは日本無線協会のホームページを確認してください。

資格試験は、毎年2月・6月・10月に開催されます。受験会場は幌・仙台・東京・長野・金沢・名古屋・大阪・広島・松山・熊本・那覇しかありませんので、遠方の人は宿泊の準備もしておきましょう。出張試験などはありません。受験料は5,362円であり、日本無線協会のホームページから電子申請が可能です。

3.第一級陸上特殊無線技士の過去問について

第一級陸上特殊無線技士の試験は、前述したように2科目しかありません。また、合格基準点が高いので、できるだけミスをなくすことが合格につながります。試験問題と解答は、日本無線協会のホームページに掲載されているので、すでにほかの無線従事者の資格区分を取得している方は、試しに解いてみるとよいでしょう。また、大型書店やネットショップでも過去問題集が販売されています。

第一級陸上特殊無線技士の試験は過去問と似たような問題が多いので、過去問を5年間分くらい解いておけば、本番でも慌てることはありません。また、個人のサイトで過去問の解説を行っているところもありますので参考にしてみましょう。ただし、それが正しいかどうかの保証はありませんので、参考程度にとどめておくといいですね。

4.勉強方法のコツ

第一級陸上特殊無線技士の試験勉強は、独学や通信教材を利用して行いましょう。参考書と過去問題集があれば、独学でも十分に勉強ができます。ただし、参考書は初心者向けに詳しい解説をしているものが少ないので、無資格無経験の方には分かりにくいかもしれません。無線従事者のほかの資格区分を取得している方などは、ひたすら過去問題を解き続けましょう。過去問をどれだけ解いて慣れておくかで、合格率も変わってきます。

5.第一級陸上特殊無線技士に対するよくある質問

Q.第一級陸上特殊無線技の資格を取得すれば、主任無線従事者の資格も取得できますか?
A.はい。3か月の実務経験があれば講習を受けることで取得可能です。

Q.文系でも試験に合格することはできますか?
A.機械や電気の知識が必要ですから、時間をかけて勉強すれば大丈夫です。

Q.試験勉強は暗記中心でしょうか?
A 無線工学では必ず計算問題が出題されるので、過去問をくり返し解いて問題になれておいてください。

Q.試験会場に計算機などは持ちこめますか?
A.いいえ。持ちこめません。

Q.過去問題は、何回くらい解いておくべきですか?
A.時間があれば10回でも20回でも解いてください。そうすれば、合格率もアップします。

おわりに

今回は、第一級陸上特殊無線技士の過去問を中心に解説しました。無資格無経験から挑戦する場合は、まず第三級や第二級にチャレンジし、合格したら第一級にチャレンジするのもよいでしょう。また、通信教材は市販の参考書よりも作りが丁寧で分かりやすいので、機械や電気の知識のない方にもおすすめです。

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