公害防止管理者の年収や仕事内容を解説! 資格取得に必要な条件・勉強法も
2016/03/30
公害防止管理者とは、特定の工場や騒音を出す場所などで、空気や水、そして騒音などの検査をしたり、環境の改善を提案したりする資格です。
特定の工場では、公害防止管理者を選任することを義務付けられています。
そこで、今回は公害防止管理者の年収や仕事内容をご紹介しましょう。
公害防止管理者は、会社が資格取得を勧めてくる場合もあります。
ですから、取っておいて損はない資格ですが、転職や就職には役に立つのでしょうか?
今回はそのあたりのこともご紹介します。
公害防止管理者の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.公害防止管理者とは?
公害防止管理者とは、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動などの公害を防止するために大気や水の状態を調べたり騒音などを観測したりします。
また、調査結果をもとに公害を防止するために必要な技術的な事項を管理することもあるでしょう。
今は、中国で大気汚染をはじめとする環境汚染が問題になっていますが、かつて日本でも公害が深刻な社会問題になったこともありました。工場からの排水や排出された大気汚染物質が原因で多くの方が被害を受けた場所もひとつやふたつではありません。
公害防止管理者は、このような苦い過去をくりかえさないようにと生まれた資格です。
有害物質を取り扱っている化学工場や大気汚染、水質汚染を起こす可能性のある工場には選任が義務付けられています。
また、技術士、計量士、衛生工学衛生管理者、毒物劇物取扱主任者などの資格を持っていると、試験を受けずに講習だけ受講すれば資格が取れるものもあるのです。
また、公害防止管理者は、大気、水質、騒音、ダイオキシンなどいくつもの管理者に分かれているため、すべてを取得しようと思ったら、ある程度の時間がかかるでしょう。
ですから、今働いている場所で必要な種類だけを取得していくというケースが多いです。
2.公害防止管理者の仕事内容や年収とは?
この項では、公害防止管理者の仕事内容や年収などをご紹介していきます。
いったいどのくらい稼げるのでしょうか?
2-1.公害防止管理者の仕事内容とは?
公害防止管理者とは、その名のとおり公害の発生を防止するのが主な職務です。
ですから、職場が汚染する可能性のある大気や水、騒音などを調査します。
また、化学物質で猛毒のダイオキシンを専門に調査することもあるでしょう。
その数値をもとに改善策を提案することもあります。
ですから、重要な仕事ですが目立つことはありません。
また、騒音や水質汚染を調査する専門の会社に所属して方々に派遣されて検査などを行うこともあるでしょう。
誰にでもできる仕事ではありませんが、スポットライトを浴びにくい仕事です。
さらに、数値によっては早急に改善をしなくてはならないため、プレッシャーがきついと感じる方も少なくないでしょう。
「華々しく業績を上げて出世街道をかけのぼりたい」という方にとっては、不向きの仕事かもしれません。
しかし、その反面コツコツと根気よく仕事をしていくのが得意、という方にとっては性に合っている可能性があるでしょう。
2-2.公害防止管理者の年収とは?
公害防止管理者は、特定の工場では選任が義務付けられています。
ですから、資格を取得していると資格手当が付くというところも多いでしょう。
また、資格を取得すると公害防止の部署で責任者になれることもあります。
その場合は、役職に応じた給料をもらえるでしょう。
ですから、会社の規模にもよりますが、400万円~700万円程度の収入は見込めます。
はばがあるのは会社の規模や仕事内容の差だと思ってください。
2-3.公害防止管理者の転職事情とは?
公害防止管理者は、特定の工場には設置が義務付けられています。
しかし、公害防止管理者がいなければ仕事ができないというわけでもありません。
また、設置が義務付けられているところは、社員に補助を出して資格を取得させるというケースも多いでしょう。
ですから、公害防止管理者の資格を取得しているからといって、とびぬけて転職に有利ということはありません。
しかし、「公害防止管理者の資格取得者を優遇する」という会社も多いので、取れるものなら取っておいた方が便利でしょう。
2-4.公害防止管理者の就職先とは?
公害防止管理者の就職先は、やはり工場が大多数を占めます。
水質や大気汚染を起こす物質を扱っているところですから、化学工場などが多いでしょう。
公害防止管理者は女性でも無理なく職務をこなすことができます。
ですが、勤務先が工場ということで、資格取得者は男性の方が若干多いそうです。
また、公害防止管理者の資格は受験資格がありません。
ですから、どんな方でも受験することができます。
しかし、「管理者」ですから、新人よりもある程度仕事の経験がある方の方に任されやすいので、受験者は30代~40代の方が多いようです。
また、化学を専攻した大学生の中にも、「何かのために取っておこう」ということで、受験される方が少なくありません。
3.公害防止管理者の難易度と合格率とは?
この項では、公害防止管理者の難易度や合格率をご紹介します。
これから受験したいという方は、ぜひ参考にしてください。
3-1.公害防止管理者の難易度
公害防止管理者は、分野ごとに試験を突破しなくてはなりません。
大気なら大気の、水質ならば水質の試験に合格する必要があるのです。
ですから、広く浅い勉強よりは、深い知識が必要とされる問題もあるでしょう。
しかし、難易度はそれほど高いわけではありません。
ひねった問題はほとんど出されないので、独学や通信教材で勉強をしても十分に合格できるレベルです。
3-2.公害防止管理者の合格率
公害防止管理者の合格率は、平均して20%~30%前後です。
簡単な試験といっておきながら、合格率が低いなと思う方もいるでしょう。
しかし、国家資格の合格率としてはごく普通です。不況が長引くにつれて、何か資格を取っておきたいと受験者は増えました
受験者が増えるほど合格率は低くなる傾向にあります。公害防止管理者は全問題の60%の得点率で合格になるのです。
足きり点などはありませんので、合格率に惑わされず、コツコツと勉強していきましょう。
また、専門的な知識を持っている方は講習で取得してしまうのも、合格率が低い原因でもあります。
4.おわりに
いかがでしたか?
今回は公害防止管理者の仕事内容や年収をご紹介しました。
公害防止管理者の資格は、需要がある割にはマイナーな資格です。
この資格さえ取っておけば安心というものではありませんが、取っておいて損はないでしょう。
また、大気だけ、水質だけ取得するよりも、大気と水の両方を取得した方が需要は高いです。
転職を視野に入れるなら、できるだけ多くの資格を取得しておきましょう。
また、会社が取得をバックアップしてくれるようでしたら、ぜひ利用してください。
さらに、社会人になってから資格を取得しようとする場合は、勉強時間の確保が大切です。
公害防止管理者の試験は問題が多いので、計画を立ててしっかりと勉強していかないと、難しくはない試験とはいえ合格は難しいでしょう。
1日に1時間でも勉強をする習慣を付けてください。
それが、合格への第一歩になるでしょう。
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